FIRE(早期リタイア)を目指しながらも、なかなか可処分所得が増えないこと、可処分時間が少ないことにお悩みの会社員の方、多いのではないかと思います。
この記事では、就業規則を熟読することで、定時で帰りながらも、可処分所得・時間を増やす方法について紹介します。
FIRE(早期リタイア)達成の参考になれば幸いです。
就業規則を入手しよう
まずは、勤め先の就業規則を入手しましょう。
就業規則は常勤の従業員数が10人以上の会社の場合、作成・届出および、従業員への周知が義務付けられており、違反すると30万円の罰金がとられます。(労働基準法 第15条 第89条 第106条 第120条)
ですので、大半の会社員の場合、勤め先の会社において、就業規則は作成されているはずです。しかし、会社によっては従業員に対し、適切に周知されておらず、どのようにすれば閲覧することができるのか不明なことがあるかもしれません。そのようなときは、総務・人事部門に閲覧方法を問い合わせてください。
ちなみに、私の妻の場合は、勤め先により就業規則の閲覧方法が本人に周知されていませんでしたが、総務部門に閲覧を依頼することで、無事に入手できました。
副業で可処分所得を増やす
就業規則を読めば、勤務先における、副業にかかる取り扱いが判断できます。
まず、最近のトレンドにかかる現状認識として、平成30年1月、「働き方改革実行計画」を踏まえ、厚生労働省が「モデル就業規則」から「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除しているという事実があります。
平成30年1月、モデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除し、副業・兼業について規定を新設しました。さらに、令和2年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定に伴い、副業・兼業についての記述を改訂しました。(第14章第68条)
副業・兼業|厚生労働省
以降、色々な大手企業が、副業を解禁したという報道を目にされた方も多いと思います。
一方、私の勤め先の場合ですと、残念ながら、旧来から就業規則の規定に変更がなく、事前に許可なく他社と雇用契約を結んだり、役員に就任するのは禁止となっていました。
しかし、ここで副業を諦めるのは早計です。私は、就業規則の規定に則り、事前に会社に、家業の、同族系株式会社の役員就任の許可を取ってみることにしました。事前に許可を求めることに対し、ペナルティの規定がなかったので、許可申請してみても失うものはないと考えたためです。
申請の結果ですが、無事、同族株式会社の社長に就任することができました。会社からは役員就任は事例ありだが、報酬ありは事例なしと言われましたが、認可自体はスムーズにされました。
これにより、相続税を回避した生前の所得移転が可能となり、FIRE(早期リタイア)実現の一助となりました。
父は、私が会社勤めのため、在職中に役職をつけるのは無理だと思っていたそうなのですが、就業規則を精読し、当該労働契約の定めに従って必要な手続きをとることにより、実現することができました。父も、私の社長就任にあわせ、役員退職することで、貯まっていた退職金控除枠を利用して会社から外にお金を出すことができ、得をしました。
次に、私の勤め先には、個人事業主にかかる禁止事項がないので、ブログ・物販などの副業は事前に報告することなく、自由にできます。
会社員は、自分があげた利益のうち、大半を株主に取られてしまう上に、所得控除できる範囲が限定的なために課税負担が重く、構造上、可処分所得を大きく増やすのが難しい職業です(利益を出せなかった場合でも給与が貰えるというよい側面もあります)。
一方、個人事業主の場合は、自分のあげた利益は全部自分のものにできます。
定時で帰りながらも、可処分所得を増やして、FIRE(早期リタイア)実現を目指す場合には、副業の検討がお薦めです。
遅刻・欠勤をして可処分時間を増やす
一度、遅刻・欠勤にかかる取り扱いを調べてみましょう。
私の務め先は、一定回数未満の遅刻・欠勤に、就業規則上、罰則がありません。
具体的には66H/年の所定労働時間不足でも、罰則がありません。不足した分、時間割賃金が月給から控除されるだけです。賞与は減りません。通勤交通費/月も、昼食補助費/月も、退職金の積立額/年も減りません。昇給・昇進の際に、規則上、不利にもなりません。
このことに気が付いて、計算してみたところ、意図的に、ペナルティが発生しない限界まで所定労働時間を不足させることにより、時給が増えることに気が付きました。
現 | 所定労働時間 66H/年不足 | |
労働時間/年(H) | 1,744 | 1,678 |
年収(退職金積立額/年 含む)(円) | 8,082,944 | 7,910,156 |
時給(円) | 4,635 | 4,714 |
私はFIRE(早期リタイア)とは、いかにして可処分時間/人生を最大化するかの取り組みと考えていますので、年収減にともない、リタイアできる年齢が遅延したとしても、時給増加によって総労働時間/人生が減っているのだから、目標達成に寄与できていると考えます。
一度、遅刻・欠勤の取り扱いについて調べてみるのをお薦めします。
有給休暇のフル消化で可処分時間を増やす
余った有給休暇の取り扱いは各社様々かと思います。一度、就業規則に目を通して、取り扱い内容について把握しましょう。
使いきれずに余った有給休暇を、満額買取してくれるところは、極力余らせたほうが時給&可処分所得(年)が増加し、結果、退職可能年齢が繰り上げとなり、FIRE(早期リタイア)に寄与するでしょう。
買取制度のないところは、消滅期限までに使い切ることによって、時給が増加し、FIRE(早期リタイア)に要する総労働時間が減り、目標達成に寄与することでしょう。なるべく全日使い切るようにしましょう。
私は、消滅期限までに全日有給休暇を使い切るようにしています。
残業しないことで可処分時間を増やす
残業をすると、年収は増えますが、可処分時間/年が減ります。また、残業をしても、賞与・通勤手当・昼食費補助・退職金積立/年などは増えませんので、場合によっては、時給および可処分時間/人生が減ることがありえます。計算をしてみて、残業をする損得について正しく把握してみましょう。
私の場合は、残業をした場合の割増賃金の得よりも、賞与・通勤手当・昼食費補助・退職金積立/年が増えないことによる損のほうが大きく、残業すると時給が減る計算になるので、残業ゼロとなるようにしています。
住宅補助の合理化で可処分所得を増やす
就業規則上の、住宅補助制度の有無について確認しましょう。
夫婦共働きの場合は、それぞれの就業規則を見比べて、二重取りができるか否か、二重取りできない場合はどちらの勤め先の住宅補助制度が得かを判断しましょう。
私の場合は、二重取りができなくて、妻の住宅補助制度のほうが使い勝手がよかったため、住んでいた賃貸住宅を私名義から妻名義に変更したうえで、妻の住宅補助制度を活用することにしました。(借り換えにコストが発生しましたが、数か月でペイできる計算でした)
仕事の効率化
上記した打ち手は、余裕をもって時間内に仕事を終える力が必要なことが多いと思います。
ホワイトカラーの方の場合の、お薦めの仕事の時短術について、まとめて記事がありますので、参照ください。
あと、KPI(重要業績評価指標)にもとづく個人割り付け目標を達成しておくことも重要です。これを実施しておくと、少々、エキセントリックな行動をとったとしても、文句を言われにくいです。
実際に数値をあげることも大事ですが、いかにして数値を、最小限の労力で、定められた法令・ルールの範囲内で作り上げることができるのか、頭を使って考えるのが重要です。管理者は如何に、部下が正々堂々とした手段にて、苦労して数値あげるかよりも、自身のノルマ達成のため、どのような手段であれ、数値があがること自体を望んでいます。
数値をあげている人の真似をするのも有効です(成績優秀者のなかには、要領よく(近道して)数値をあげている人がいるはずです。その人の真似をすれば効率よく数値はあがります)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した事例を参考に、一度、勤め先の就業規則を熟読してみてください。可処分時間や可処分所得を増やすヒントが得られると考えますので、お薦めです。
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