幸福とは何か理解しておくことは重要です。
幸福論の研究によると、人間の幸せはお金や時間だけでは決まりません。人間関係や目的感や感謝感などの心理的な要素も重要です。
したがって、FIREを実現したとしても、それだけでは満足できないかもしれません。
FIREを目指す場合でも、自分の幸せの源泉を見つけて、バランスの取れた生活を送ることが大切です。
そこで本記事では統計データを参考にしながら、幸福について考えてみます。
いくら稼ぐと幸福なのか
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」によると、世帯年収は2000万円以上3000万円未満、のレベルまで、満足度が上昇していくそうです。
3000万円以上になると、満足度が下がります。
私の場合、現在の世帯年収は約1500万円のため、 2000万円以上3000万円の中間値である2500万円を狙い、あと、1000万円世帯年収を延ばす努力をすることで、満足度が増える可能性があります。
いくら資産があると幸福なのか
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」 によると、資産は1億円以上3億円未満まで、満足度が上昇していくそうです。
私の場合、現状の資産は1億9千万円ですので、これ以上、資産残高が増えても、満足度の上昇には貢献しなさそうです。
また、FIREを計画するに際しては、FIRE後の資産残高が、生涯にわたって1億円を切らないような生活水準の設定をすると、満足度を減らさないで生活ができそうです。
FIRE後、生涯、資産残高が1億円を切らないようにするためには、私の場合、FIRE可能年齢が53歳到達時となり、その際、3億円は必要と計算されます。
健康状態と満足度
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」 によると、 健康状態がよいほうが圧倒的に満足度が高いです。
健康が重要であることが分かります。
健康の維持に関する記事は以下参照ください。
頼れる人数と満足度
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」 によると、 頼れる人数が多いほうが満足度が高いです。
「頼れる人数」とは、自分が困ったときに助けてくれる人や相談できる人のことです。
「頼れる人数」を増やす方法として、以下のようなものがあります。
- 自分から積極的にコミュニケーションを取ること。
- 他人の話をよく聞いて、共感や感謝を伝えること。
- 信頼関係を築くために、約束を守ったり、秘密を守ったりすること。
- 他人の助けを求めたり、自分の助けになってくれた人にお礼を言ったりすること。
- 自分の得意なことや興味のあることを活かして、他人に貢献したり、共通の話題を見つけたりすること。
「頼れる人数」を増やすことは、自分の心理的安定や幸福感にも影響する重要な要素です。
趣味・生きがい
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」によると、趣味・生きがいがあるとないとでは、あったほうが満足度が高いです。
私の場合、現在の趣味・生きがいはFIREを目指すことですので、今はともかく、FIREした後に趣味・生きがいがなくなってしまう問題があります。
金儲け、音楽活動など、何かFIRE後も継続して取り組むことのできる趣味・生きがいを育てる必要があります。
労働時間
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」によると、 労働時間は短ければ短いほど満足度が高く、3時間未満が一番満足度が高いです。
また、労働時間と満足度の関係は、一般的には、労働時間が長いほど満足度が低くなると考えられています。しかし、この調査では、そうとは限らないことがわかりました。
調査結果によると、労働時間が週40時間以下の人と週60時間以上の人では、満足度に大きな差はありませんでした。逆に、週40時間から60時間の間の人が、最も満足度が低かったのです。
これは、週40時間以下の人は、自分の仕事にやりがいや達成感を感じているか、または自分の時間を自由に使えているかなど、労働時間以外の要素で満足度を高めている可能性があるからです。一方、週60時間以上の人は、仕事に対する責任感や使命感など、労働時間以上の要素で満足度を高めている可能性があるからです。
週40時間から60時間の間の人は、どちらの要素も十分に得られていないために、満足度が低くなっていると考えられます。このように、労働時間と満足度の関係は、単純ではなく、個人の価値観や仕事内容などによって変わってくることがわかります。
持ち家か借家か
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」によると、持ち家と借家を比較すると、持ち家のほうが満足度が高いです。
住宅の広さ
延べ床面積150㎡以上~200 ㎡ 未満が満足度が高いです。
引退した後、比較的土地代の安いところに持ち家戸建てを購入すると満足度が高くなるかもしれません。
借家権は弱いので、賃貸戸建ては選択肢に入れにくい。
借地権は強いので、土地を借りることが出来るのであれば、借りた土地に持ち家戸建てを建てると経済的な損得では有利です。
脳内物質と幸福について
生物学的な観点から、脳内物質と幸福についても考えてみます。
ドーパミンとセロトニンとオキシトシンは、私たちの脳で分泌される神経伝達物質です。これらの物質は、私たちの感情や行動に大きな影響を与えます。特に、幸福感や満足感を感じるときには、これらの物質が活発に働いています。では、それぞれの物質がどのように幸福と関係しているのでしょうか?
ドーパミンは、報酬や快楽を感じるときに分泌されます。例えば、目標を達成したときや、好きな人からメッセージが来たときなどです。ドーパミンは、私たちにやる気や意欲を与えます。しかし、ドーパミンは短期的な快楽にしか関係しません。長期的な幸福感を得るには、他の物質も必要です。
セロトニンは、自信や安心感を感じるときに分泌されます。例えば、自分の能力や価値を認められたときや、社会的な地位や評価を得たときなどです。セロトニンは、私たちに自尊心や自己効力感を与えます。しかし、セロトニンは他者との比較によって左右されやすいです。自分よりも優れた人がいると、セロトニンの分泌が減少します。
オキシトシンは、愛情や信頼感を感じるときに分泌されます。例えば、家族や友人と触れ合ったり、抱きしめたりしたときや、恋人とキスしたりしたときなどです。オキシトシンは、私たちに親密さやつながりを与えます。オキシトシンは長期的な幸福感に関係しています。オキシトシンの分泌が多い人は、ストレスに強くて健康的です。
以上のように、ドーパミンとセロトニンとオキシトシンは、それぞれ異なるタイプの幸福感を生み出します。これらの物質のバランスが大切です。どれか一つだけに頼っていると、幸福感が不安定になります。幸福を感じるためには、自分の目標や価値を見つけて達成すること(ドーパミン)、自分を肯定して尊重すること(セロトニン)、他者と深い関係を築くこと(オキシトシン)が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
参考になれば幸いです。
コメント